マダム♡千壽は栄養士ですが、人間の身体にとって最高の栄養は、美味しく、楽しく、感謝していただく食事であると考えています。
また栄養は『食事』としていただくことが身体にとっても自然です。
不足しがちな栄養を、サプリメントや健康食品で補うことが、身体に与える影響についても以前から危惧してきました。
そして実際に、健康になるはずのサプリメントや健康食品で、健康被害が起こっているのです。
偶然にもマダム♡千壽の周りでも、二人ほどサプリメントによる薬物性肝障害を起こしていましたので、今回はこの件についてお伝えしますわね。
アラ還世代からは、特にご注意いただきたいと思います。
薬物性肝障害はサプリメントや健康食品でも起こっている
サプリメントや健康食品でも現実には薬物性肝障害が起こっています。
薬物性肝障害は、主に薬が原因で起こる肝臓の炎症のことですが、薬だけでなく漢方薬、サプリメント、健康食品でも起こっています。
肝臓は、食べ物、アルコール、お薬、身体に入った物の代謝・解毒をし、胆汁を作ります。
過剰に働かなくてはならなくなった時に、負担かかかり肝障害が起こります。
要は誰でも起こる可能性はあるということです。
健康食品の摂取により、 まれに 薬物性肝障害を発症することがあります。「倦怠感」「食欲不振」「発熱」「黄疸」「発疹」「吐き気・おう吐」「かゆみ」などの症状がみられ、症状が持続する場合は、摂取 をやめてすみやかに医療機関を受診しましょう。
健康食品の摂取による薬物性肝障害 の多くは自身の体質によるもので、年齢・性別を問わず誰でも発症する可能性があります。
発症頻度はまれですが、重症化してしまうこともありますので、「倦怠感」「食欲不振」「発熱」「黄疸」「発疹」「吐き気・おう吐」「かゆみ」等の症状がみられ、症状が持続する場合は、摂取をやめてすみやかに医療機関を受診してください。出典元:独立行政法人国民生活センター
健康被害を受けた方々
そして最近、マダム♡千壽の周りで二人も健康被害を受けた方々がいましたの。
お一人は病み上がりの時で、身体に良かれと思ってサプリメントを飲んだために急性肝炎になったアラ還です。
サプリメントだけが悪いというわけではなく、病気で薬を服用していたところにサプリメントが増え、肝臓への負担が急に増えたのかもしれません。
そしてもう一人は、元々病弱だったので、あれがいい、これがいいと言われたサプリメントを、どんどん増やしていったために、気づいた時には肝障害を起こしていたというアラ還です。
サプリメントを食事代わりに過剰摂取していた典型的なパターンかもしれませんわね。
過剰摂取が問題になっている
サプリメントや健康食品の過剰摂取については、以前から問題になっています。
お薬では肝障害を起こす可能性のあるものは、説明書にちゃんと注意が書かれています。
お医者様も場合によっては肝機能の数値を見ながら処方します。
でもサプリメントや健康食品は食品の扱いなので、私たちも健康被害があるなどとは思いません。
摂れば摂るほど効果があるように期待してしまいます。
その結果、過剰摂取となり、様々な健康被害が出ているようです。
『サプリメント 健康被害』で検索すると厚生労働省や日本医師会のサイトが上がってきます。
アラ還世代からは、特に気をつけたほうが良いでしょうね。
サプリメントや健康食品による健康被害がなぜ起こるのか
なぜ、サプリメントや健康食品でそれほどまでに健康被害が起こるのでしょうか?
ひとつは健康的になれるイメージと安心感です。
薬の副作用のように、摂りすぎることへの悪影響についてはあまり触れられていません。
摂れば摂るほど元気になれるような錯覚から、つい過剰摂取してしまうのです。
医薬品のような厳しい試験があるわけでもありません。
それでいて、市場にはあまりにも数多くのサプリメントや健康食品が出回っています。
中には身体に良いものもあるでしょう。
ところが粗悪品もあるかもしれません。
栄養は食事から摂らないと不自然に過剰になる
栄養は食事で摂るのが、身体にとっては最も自然です。
例えばウコンはカレー粉の材料である香辛料ターメリックに含まれる成分です。
食品でこれを摂る時は問題ありませんが、サプリメントで摂ってしまうと、食品で摂る時と比べ、それ単体だけを大量に摂りすぎてしまうのです。
身体にとっては不自然な過剰摂取です。
例えばイソフラボンは大豆に含まれる成分です。
もし通常の食事で十分摂れているところに、過剰にサプリメントなどで摂ってしまうと、過剰な分が身体に悪影響を及ぼすかもしれません。
足りない栄養を補うなら、きちんと栄養計算をして、本当に足りない物を必要なだけ補うようにしなければなりません。
DHAやEPA単体ではなく、食材は丸ごと食べよう
DHAやEPA単体で摂るのではなく、食材として丸ごと食べましょう。
魚を丸ごと食べるから身体にとって良い栄養素に変わるのです。
全ての食材は丸ごと食べることで、その栄養素が相乗効果を生んでいる可能性があります。
DHAやEPAは、それ単体で摂取しても効果がないと言われているそうです。
人の体は複雑なバランスでできています。
食事から摂る栄養も、それぞれが相互に関わっていますし、そこに消化酵素や消化器官が複雑に関係して身体に取り入れていくのです。
その複雑な相互関係を無視して、身体に良い栄養だけを摂ろうとしても、身体にとっては不自然でしかありません。
実際にEPA単体で摂りすぎることでの副作用もあります。
EPAは脳梗塞や心筋梗塞など、血栓(血の塊)で血管が詰まって起きる重大な障害を避ける目的で使いますが、副作用もあります。
血液が固まりにくくなるため、出血するとすぐには止まりません。医薬品として服用する量では安全ですが、1日3グラム以上の摂取では注意が必要です。手術や出血を伴う歯科治療を受けるときは、医師などに相談して数日前から服用を中止しましょう。
また、医薬品では肝機能障害、健康食品で滲出性紅斑といった副作用も報告されています。薬とサプリメントを飲み、その上に血液をサラサラにする食品をたくさん食べると、副作用の危険性が高まります。ご注意ください。
出典元:全日本民医連・くすりの話 194
栄養は食品から摂る方が死亡リスクが減る
栄養は食品から摂った方が死亡リスクが減るという表現もありますが、これは栄養を食品以外から摂った場合に死亡リスクが上がるということではないでしょうか?
サプリメントや健康食品を過剰摂取した場合に、健康被害があるのですから当然といえば当然ですわよね。
サプリメントや健康食品に頼らない栄養の摂り方
サプリメントや健康食品に頼らない栄養の取り方は、まずはバランスの取れた食事を心がけることです。
現代人はどちらかというと食べる過ぎている傾向にあります。
病気や食欲がないときは、胃腸を休めろという身体からのサインでもあります。
よほど偏った食事でなければ、それほど不足している栄養はありません。
サプリメントや健康食品に頼らず、まずは毎日の食事の内容を見直してみることです。
自信がなければ、和食を中心にしてみたらいかがでしょうか?
質素で昔ながらの和食は、日本人の体質には合っていますもの。
DHAやEPAを摂りたければお魚で
DHAやEPAを摂りたければ、お魚を食事としていただきましょう。
人間の身体全体で栄養や消化吸収される過程を見なければなりません。
それぞれの臓器で様々な消化器官で、多数の酵素や様々な現象が起きて、自然に健康なバランスが取れているのです。
そこへある栄養だけを単体で不自然です。
サプリメントや健康食品は自然に存在しない化学物質です。
ただサプリメントや健康食品を全面的に否定するわけではありません。
私自身、ずいぶん前にあるサプリメントで体質改善したことがあるからです。
それはこちらで紹介しました。(『サプリメントや健康食品は食事の代わりではありません』)
まずはバランスの良い食事を心がけ、ピンポイントでサプリメントで補うくらいに留めましょう。
食事の代わりとして頼るのはやめたいものです。
まとめ
栄養は、食事から摂るのが人間の身体にとっては自然です。
サプリメントや健康食品は、不自然な栄養の摂り方ですし、実際にねこ♡ばばあの周りでも、薬物性肝障害や過剰摂取による健康被害もありました。
ただ、私自身が昔サプリメントで体質改善した経験もありますので、全面的に否定するつもりはありませんわ。
もし利用するのであれば、以下のことに気をつけましょうね。
- 過剰に摂らない
- 上質な物を選ぶ
- 食事で足りない分を補うだけの量にする
- 場合によってはかかりつけ医に相談する
- 依存しない
まずは毎日の食事を見直し、しっかり食事から栄養を摂るように心がけたいものです。
そして多少バランスが悪くても、美味しく楽しく感謝していただきましょう。
そうすることで、身心ともに最高な状態で身体にいただくことができるでしょう。
マダム千壽の略歴
某上場企業にて20年間顧客対応、その後某上場企業の契約社員として、顧客対応・企画・等の仕事をする。10年前から個人事業・カルチャー講師等を経験、一定の成果は上げました。
一方でその頃から乱立する協会ビジネスや、個人事業を餌食にするコンサルなどの急増にも危機感を覚える。また業界にはネットワークビジネスやスピリチュアルも多いが、様々な事実を知れば知るほど冷静になる。
人の成功を妬む人、自分の成功のために他人を平気で利用する人、SNS発信と実態があまりに異なる人、そういった世界に嫌気がさし、距離を置くようになる。
現在は事務員をしながら、着物を楽しんだり、和文化への興味を深めています。60代女性ひとり時間を楽しめるのも、50代をどう過ごし準備してきたかが大切だと実感する今日この頃。
子育て・介護を終え怒涛の人生の後半をマイペースでねこたちと生きているマダム♡千壽です。
摂食障害、アスペ、APD、栄養士、個人事業、20年以上のゆるい玄米菜食等の経験を経て、60代を元気に迎えるための考え方や情報をお伝えしています。